この記事の結論 モバイルバッテリーの発火などの事故は、2025年に192件。2021年の51件から 約4倍 に増えています。そんな中でAnkerが送り出したのが、「釘を刺しても燃えない」 をうたう新しい電池セル 「ネオリチウムイオン」 を採用した Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) です(10,000mAh・税込11,990円)。面白いのは、話題の半固体電池やナトリウムイオン電池ではなく、普通のリチウムイオン電池を作り方から見直した こと。電極や電解液に混じる 不純物を徹底的に減らし、電池の中で起きる望ましくない反応を抑えています。その結果、満充電のセルに釘を刺す試験を100%通過 したと発表しています。ケースには燃え広がりにくい素材を使い、電池の状態を秒単位で監視する仕組みも入っています。ただし、これはメーカーの発表です。どんな電池も扱い方しだいで危険になる ことは変わりません。なおAmazonでは 「通常版」も同じページで選べる ので、買うときは 「ネオリチウムバッテリー版」 を選んでください。
カバンの中のモバイルバッテリー、最近ちょっと気になっていませんか。
電車の中や飛行機の中での発火のニュースが相次ぎ、2026年4月からは飛行機への持ち込みのルールも厳しくなりました。毎日持ち歩くものだけに、「安全なものを選びたい」と思う人は増えているはずです。
そこで今回は、Ankerが「Anker史上最高水準の安全性」と打ち出している新しいモバイルバッテリーを取り上げます。何がどう安全になったのか、そして それでも気をつけるべきこと を整理しました。
モバイルバッテリーの事故は、4年で約4倍
まずは現状です。経済産業省が紹介しているNITE(製品評価技術基盤機構)の集計では、
| 年 | モバイルバッテリーの事故件数 |
|---|---|
| 2021年 | 51件 |
| 2025年 | 192件(約4倍) |

NITEによると、リチウムイオン電池を使った製品の事故は、2020〜2024年の5年間で1,860件。そのうち 約85%が火災 につながっています。製品別では モバイルバッテリーが最多 で、気温が上がる8月に事故がもっとも多くなる ことも分かっています。
飛行機のルールも、2026年4月から厳しくなった
2026年4月24日からは、飛行機への持ち込みのルールも変わりました。主なポイントは次のとおりです。
- 機内に持ち込めるのは 1人2個まで(1個あたり160Wh以下)
- 座席の上の収納棚には入れず、座席ポケットなど手元で管理する
- 機内でモバイルバッテリーを充電したり、スマホに給電したりするのは控える
- 預け入れの荷物に入れるのは、これまでどおり不可
細かい扱いは航空会社によって違うので、搭乗前に必ず確認してください。詳しくは 飛行機の持ち込みルールの記事 にまとめています。
「ネオリチウムイオン」とは何か
半固体電池ではなく、普通のリチウムイオン電池の改良版
燃えにくいモバイルバッテリーというと、半固体電池 や ナトリウムイオン電池 を思い浮かべる人も多いかもしれません(当サイトでも 電池の種類の記事 で紹介しました)。
ところがAnkerは、あえてそれらを採用しませんでした。理由として挙げているのは3つです。
- 実証データの蓄積がまだ少ない
- 飛行機への持ち込みや廃棄のルールが整っていない場合がある
- 同じ容量でも、サイズと重さが大きくなりやすい
そこで選んだのが、今のリチウムイオン電池を、作り方から見直す という道でした。
改良のポイントは「不純物」
電池が発熱・発火する原因のひとつに、製造の途中で電極や電解液に混じる 不純物 があります。ネオリチウムイオン電池では、
- 正極に混じる磁性の不純物を大幅に減らした
- 電解液に水やフッ化物が混じらないようにした
- 電解液の配合を見直し、電池の中で起きる望ましくない反応を抑えた
- 負極の表面を処理 して、リチウムの金属が析出する(電池の中でトゲのように成長する)のを抑えた
という改良を重ねたと説明されています。どれも派手な新素材ではありませんが、事故の原因になる小さな芽を一つずつ摘んでいく 考え方です。
釘刺し試験とは
「釘を刺しても燃えない」というのは、満充電にした電池セルに釘を突き刺して、わざと内部でショートを起こす 試験のことです。電池にとってはかなり過酷な条件で、普通のリチウムイオン電池なら発煙や発火につながりやすい状態です。
Ankerは、ネオリチウムイオン電池のセルが この釘刺し試験を100%通過 し、耐熱試験や耐圧試験もクリアした と発表しています。第三者の試験機関で検証したとしていますが、試験条件の細かい内容は公表されていません。
電池の外側にも、2つの安全策
安全対策は、電池セルだけではありません。
- 燃えにくいケース ── 万が一、中で発火しても、炎が外に広がりにくい難燃性の素材を使っている
- 電池を秒単位で見張る仕組み ── 異常を検知すると、製品をロックして使えなくする。電池の状態は専用アプリからも確認できる(確認には有線でつなぐ必要あり)
「燃えない電池」「燃え広がらないケース」「異常なら止める頭脳」 の3段構えになっている、というのがこの製品の全体像です。
Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) の仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 容量 | 10,000mAh |
| ワイヤレス出力 | Qi2 対応のマグネット式、最大15W |
| USB-C 出力 | 最大30W |
| 同時に使うとき | 合計最大17W |
| サイズ・重さ | 約104 × 71 × 15mm / 約215g |
| 価格 | 11,990円(税込) |
| カラー | ブラック / ホワイト / オレンジ ほか |
iPhoneの背面にくっつけて、ケーブルなしで充電できる マグネット式 です。スマホを約2回充電できる容量で、毎日の持ち歩きにちょうどいいサイズ感です。
💡 編集部メモ:新しく発売された iPhone Duo のワイヤレス充電は最大25Wに対応していますが、このモバイルバッテリーのワイヤレス出力は 最大15W です。急いで充電したいときは、USB-Cケーブルでつなぐほうが速く充電できます。
買うときの注意:「通常版」と間違えない
Amazonの商品ページでは、同じページの中で「ネオリチウムバッテリー版」と「通常版」を選べる ようになっています。この記事で紹介している新しい電池セルを使っているのは ネオリチウムバッテリー版 です。カートに入れる前に、選択中のバージョンを必ず確認 してください。
「燃えにくい」電池でも、やってはいけないこと
どんなに安全性を高めた電池でも、扱い方しだいで危険になる ことは変わりません。NITEが注意を呼びかけている使い方を、改めて確認しておきましょう。
- 真夏の車内など、高温になる場所に置きっぱなしにしない(事故は8月に最も多い)
- 落とした・強くぶつけたあとに、膨らみや異常な発熱がないか確認する
- 膨らんだり、異臭がしたりしたら、すぐに使用をやめる
- 布団の中やカバンの奥など、熱がこもる場所で充電しない
- 捨てるときは、普通のゴミに出さず、回収ルールに従う
膨らんだときの対処と捨て方は、モバイルバッテリーが膨らんだときの記事 で詳しく解説しています。
よくある質問 (FAQ)
Q1. 本当に絶対に燃えないのですか?
A. 「絶対」ではありません。Ankerが発表しているのは、釘刺し試験・耐熱試験・耐圧試験を通過した という結果で、試験条件の細かい内容は公表されていません。従来品より安全性を高める工夫がされているのは確かですが、使い方の注意は普通のモバイルバッテリーと同じように守ってください。
Q2. 飛行機に持ち込めますか?
A. 10,000mAhのモバイルバッテリーは、一般的に160Wh以下に収まるので、機内に持ち込める容量です。ただし2026年4月からのルールで 1人2個まで・収納棚に入れない・機内で充電や給電を控える などの扱いが求められています。航空会社ごとの案内も確認してください。
Q3. 半固体電池のモバイルバッテリーとどちらが安全ですか?
A. 一概には言えません。半固体電池も燃えにくさを売りにしていますが、Ankerは「実証データがまだ少ない」「持ち込みや廃棄のルールが整っていない場合がある」といった理由から、あえてリチウムイオン電池の改良を選びました。どちらを選ぶにしても、信頼できるメーカーの製品を、正しく使う ことがいちばんの安全策です。
Q4. iPhone以外のスマホでも使えますか?
A. USB-Cケーブルでつなげば、多くのスマホを充電できます。マグネット式のワイヤレス充電は、Qi2やMagSafeに対応した機種(または対応ケースを付けた機種)で使えます。
まとめ
- モバイルバッテリーの事故は 2025年に192件、4年で約4倍。事故の約85%は火災 につながっている
- 2026年4月から、飛行機は 1人2個まで・収納棚NG などルールが厳しくなった
- Ankerの ネオリチウムイオン電池 は、半固体電池ではなく リチウムイオン電池の不純物を減らした改良版
- 釘刺し試験を100%通過(メーカー発表)、燃えにくいケースと電池の監視機能も搭載
- Anker Nano Power Bank (MagGo, Plus) は10,000mAh・Qi2対応・11,990円。Amazonでは ネオリチウムバッテリー版 を選ぶ
- 「燃えにくい」電池でも、高温の場所に置かない・膨らんだら使わない は守る
モバイルバッテリーは、毎日カバンに入れて持ち歩く「小さな電池のかたまり」です。派手な新素材ではなく、今ある電池を地道に安全にしていく というAnkerのアプローチは、地味ですが、毎日使うものだからこそ信頼できる方向性だと思います。
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本記事は 2026年10月24日時点 の Anker の公式発表と国内メディアの報道に基づく編集部の調査記事です。編集部は本製品の実機を使用していません。「釘刺し試験を100%通過」などの安全性に関する内容はメーカーの発表であり、編集部が独自に検証したものではありません。事故件数は経済産業省が紹介したNITE(製品評価技術基盤機構)の集計、飛行機の持ち込みルールは2026年4月24日からの国の案内を解説した各種報道に基づきます。航空会社ごとのルールや最新の価格・在庫は、必ず公式情報でご確認ください。当サイトの広告表示については アフィリエイト開示 をご覧ください。